アジア地域の指導者,被災したネパールを訪れる

提供者: チャールズ・チャンバレン長老,アジア地域広報部

  • 2015年8月22日

七十人でアジア地域会長会のランディー・D・ファンク長老の話の後に,写真のためのポーズをとるカトマンズ支部の会員たち  写真/アジア地域広報部,チャールズ・チャンバレン長老の厚意により掲載。

記事のハイライト

  • 教会のアジア地域の指導者らは,5月15日から週末にかけてネパールを訪問した。
  • 指導者らは,被害の調査,救援活動の状況評価,およびネパールの人々への教会からの愛を伝えるために教会の人道支援と提携している団体と会合を持った。
  • ランディー・D・ファンク長老はネパールの末日聖徒らに皆が彼らのことを心配していることを伝え,もしキリストを仰ぎ見るなら乗り越えることができると語りかけた。

「人々に,教会が彼らを気遣っていること,皆が気遣っていることを伝えたのはすばらしいことだと思います。 それは大きな意味があったと思います。」 ―ジム・バレンタイン長老,ネパールの人道支援宣教師

壊滅的な地震の後,世界中の人々はネパールの住民に対して関心を示し,多くの救援組織が支援を提供した。

5月15日の週末,アジア地域会長会のランディー・D・ファンク長老とインド・ニューデリー伝道部のピーター・E・サックリー会長とケリー・サックリー姉妹は,ネパールの末日聖徒や人々に対する教会からの愛を伝えた。 長老たちに合流したのは,4月25日の地震から数日後タイに避難するまでネパールで人道支援宣教師として奉仕していたジム・バレンタイン長老とクリス・バレンタイン姉妹である。

一団は被害の調査,救援活動状況の評価,再建の必要に関する評価,ネパールの人々への愛と尊敬を伝えるために教会の人道支援と提携しているいくつかの組織と会合を持った。 バレンタイン夫妻にとって,ネパールへの再訪は良くも悪くも地震の痛烈な記憶を思い起こすものとなった。

バレンタイン姉妹は,自身の辛かった経験を思い出した。それは教会のためにネパール国外での伝道に出る備えをしている人々のための特別な「宣教師の夕食」を用意するために,教会をあとにしてからのことだった。

「地震が起きました。 わたしは階段を降りて外に避難するか,テーブルの下にもぐるかの選択がありました」と彼女は言った。 「わたしは階段をかけ降りることを選んだのです。 壁からいろいろなものが飛んで来ました。 しっくい,タイルやガラスが飛んでいました。 ようやく手すりまでたどりつくと,若い婦人が踊り場から踊り場へ飛ばされるのが見えました。 ……手すりにつかまりながら,わたしはできるだけ速く下まで駆け降りました。」

またバレンタイン夫婦は,集会所を出てから教会の会員が集まった場所に戻った後の経験を詳しく話した。そこでは会員たちは外でしゃがみこんでいた。 数分おきに激しい余震が発生し,立っていることは難しかった。 青少年は「主のみたまは火のごと燃え」を歌い出し,近隣の人々も加わった。

七十人でアジア地域会長会のランディー・D・ファンク長老の話を聞いた後,ともに起立するカトマンズ支部の青少年たち。 写真/アジア地域広報部,チャールズ・チャンバレン長老の厚意により掲載

自分の住む地域が崩壊して間もないにもかかわらず,カトマンズ支部の青少年たちは笑い,ともに過ごす時間を楽しんでいる。 写真/アジア地域広報部,チャールズ・チャンバレン長老の厚意により掲載

「一人の女性はわたしの肩にただ手を置いて,慰めてくれました」とバレンタイン姉妹は言った。 バレンタイン夫婦は,支部の指導者たちが行方不明の教会員の状況を迅速に把握するために携帯電話を取り出したのを覚えている。

教会の指導者たちは,被害の大きかったバクタプルとダルバール広場の惨状を調査することができた。 4月25日の「大地震」に加えて,マグニチュード7.4の二番目に大きな地震が5月12日に発生し,さらなる被害があり人命が失われた。

土曜日(ネパールでは安息日)には,一団は会員の必要について話し合うために支部の評議会と会合を持った。 それから聖餐会において,バレンタイン夫婦が証を述べ,それに続いてサックリー伝道部会長と姉妹が証を述べた。

その話の中でファンク長老は,キリストのはりつけに伴い起こった地震やその他の破壊について聴衆に思い起こさせた。 長老はモルモン書に記された通りにその光景について説明した。そこでは復活されたキリストが人々に現れ,両手を広げて「わたしは世の光であり命である」と言われた。 それからファンク長老は「人々は自らを取り巻く破壊の中にあっても,『世の光と命』であられるイエス・キリストを仰ぎ見るとき,希望を持つことができました。 今,皆さんは家や生活で大きな被害に直面していますが,『世の光と命』であられるイエス・キリストを仰ぎ見るときに皆さんも希望を持ち,幸福になることができるのです。」

「〔教会員 〕はこの言葉にほんとうに励まされました」とバレンタイン長老は言った。 「人々に,教会が彼らを気遣っていること,皆が気遣っていることを伝えたのはすばらしいことだと思います。 それは大きな意味があったと思います。」

日曜学校の時間にファンク長老は,会員の状況や地震が生活に及ぼした影響について最新の情報を聞くために話し合いの時間を持った。 家の状況について尋ねられたとき,長老定員会会長は次のように答えた。「家を失いましたが,誰もけがをしなかったので,わたしたちは幸せです。」 続けて「わたしたちはほんとうに祝福されていて,御霊に従うことで,導かれています」と述べた。

御霊に従うというのは教会員の中の共通のテーマであった。 若い科学の教師で,教会の指導者であるエイジェイ・シュレスザは地震の日の経験について語った。 彼はおばを迎えに行くために教会を早く出た。 彼女はパタンの博物館に行く計画があり,彼にも一緒に来て欲しかったのである。 しかし彼は安息日を聖く保つという戒めを思い出し,博物館行きを中止にした。 地震の後,彼はパタン地域を見る機会があったが,博物館は倒壊していた。 エイジェイは御霊に耳を傾けたので,彼とおばの命は助かったのだと感じた。

今回の訪問と人道支援のパートナー団体との継続的な活動により,教会はネパールの地元の支部への支援と,その他多く人々への支援を続ける予定である。 モンスーンの雨が始まる季節になるにつれ,救援物資を提供するために,まだかなり多くの取り組みが必要とされている。 しかしながら地元の教会の会員たちは元気で,快活であり,そして忠実である。