「すぎこし」『旧約聖書物語きゅうやくせいしょものがたり』

すぎこし

主しゅに守まもられて

パロはイスラエルの民たみを解放かいほうしようとしませんでした。そこで，主しゅはモーセに，最後さいごにもう一ひとつわざわいを送おくると言いわれました。エジプトの地ちに住すむすべての家族かぞくの一番上いちばんうえの子供こどもとかれらの動物どうぶつの初子ういごは死しぬだろうと言いわれたのです。

出しゅつエジプト11：1，4－10

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<ruby>民<rt>たみ</rt></ruby>に<ruby>語<rt>かた</rt></ruby>るモーセ

もしイスラエルの民たみが主しゅの指示しじにしたがうならば，わざわいは民たみをすぎこして害がいをあたえない，と主しゅは約束やくそくされました。

出しゅつエジプト12：3，13，23

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ドアのわくをぬる<ruby>男性<rt>だんせい</rt></ruby>，それを<ruby>見<rt>み</rt></ruby>ている<ruby>子供<rt>こども</rt></ruby>たち

主しゅはイスラエルの家族かぞくのそれぞれに，完全かんぜんなおすの子羊こひつじをぎせいとしてささげ，その子羊こひつじの血ちを自分じぶんの家いえの戸とのわくにぬるようにと言いわれました。

出しゅつエジプト12：4—7

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主しゅはイスラエルの民たみに，子羊こひつじを料理りょうりして，それを急いそいで食たべるようにと言いわれました。食たべている間あいだ，服ふくを身みに着つけておいて，家いえをはなれるじゅんびをしておかなければなりません。イスラエルの民たみがこれらのことを行おこなうならば，最初さいしょに生うまれた子供こどもはわざわいから守まもられると主しゅは言いわれました。

出しゅつエジプト12：8—11

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なくなったパロの<ruby>息子<rt>むすこ</rt></ruby>

主しゅがけいこくされたように，わざわいがおよびました。パロの長男ちょうなんをはじめ，エジプト内ないの最初さいしょに生うまれた子供こどもは全員ぜんいんなくなりました。しかし，子羊こひつじの血ちを戸とのわくにぬっていた家いえはどこも，わざわいがすぎこしました。イスラエルの民たみが主しゅにしたがったため，民たみの最初さいしょの子供こどもたちはすくわれたのです。

出しゅつエジプト12：12－13，29－30

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モーセとアロンに<ruby>出<rt>で</rt></ruby>て<ruby>行<rt>い</rt></ruby>くよう<ruby>告<rt>つ</rt></ruby>げる<ruby>悲<rt>かな</rt></ruby>しげなパロ

このわざわいのために自分自身じぶんじしんの息子むすこがなくなったのを見みたパロは，モーセとアロンにすべてのイスラエルの民たみを連つれてエジプトを出でていくように言いいわたしました。

出しゅつエジプト12：31－33

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<ruby>軍<rt>ぐん</rt></ruby>を<ruby>送<rt>おく</rt></ruby>る，いかったパロ

イスラエルの民たみは出でて行いきましたが，パロはいかりがおさまりません。パロは軍ぐんと戦車せんしゃを集あつめて，イスラエルの民たみを追おいかけさせました。

出しゅつエジプト12：37－41；14：5—8

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イスラエルの<ruby>民<rt>たみ</rt></ruby>を<ruby>追<rt>お</rt></ruby>う<ruby>軍<rt>ぐん</rt></ruby>

イスラエルの民たみが紅海こうかいのそばで野営やえいしていると，間まもなく，パロとその軍ぐんが一行いっこうに追おいついて来きました。エジプト人びとが向むかって来くるのを見みて，イスラエルの民たみはおそれました。しかし，モーセはイスラエルの民たみに，主しゅが守まもってくださると言いいました。

出しゅつエジプト14：9—14

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つえをかかげるモーセと，<ruby>分<rt>わ</rt></ruby>かれる<ruby>紅海<rt>こうかい</rt></ruby>

エジプト人びとが近ちかづいて来くると，主しゅはモーセにつえをかかげるように言いわれました。モーセがそうすると，主しゅは海うみを分わけられたので，イスラエルの民たみはかわいた地ちを通とおって海うみをわたりました。そして，パロとその軍ぐんからにげ去さりました。

出しゅつエジプト14：15－16，21－22

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エジプト<ruby>軍<rt>ぐん</rt></ruby>の<ruby>上<rt>うえ</rt></ruby>におおいかぶさる<ruby>紅海<rt>こうかい</rt></ruby>

エジプトの軍隊ぐんたいはイスラエルの民たみの後あとを追おいました。すべてのイスラエルの民たみが紅海こうかいの向むこう側がわに無事ぶじたどり着つくと，主しゅは水みずを落おちるにまかされました。そして，エジプトの軍隊ぐんたいは海うみの中なかでおぼれてしまいました。

出しゅつエジプト14：23－30

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おどるイスラエルの<ruby>民<rt>たみ</rt></ruby>

とうとう，イスラエルの民たみは自由じゆうになりました。民たみは歌うたを歌うたい，おどって，主しゅに感謝かんしゃをささげました。イスラエルの民たみはすぎこしをいつも覚おぼえていました。主しゅがかれらの命いのちをすくい，エジプトから連つれ出だしてくださったときのことを忘わすれることがありませんでした。

出しゅつエジプト14：31；15：1—22