「節約」教会歴史のテーマ
「節約」
節約
北アメリカ大陸横断鉄道の建設も完成に近づいた1860年代後半に,教会指導者は,この鉄道が開拓地ユタの末日聖徒たちの霊的,経済的な生活に及ぼす影響を危惧していました。1ユタ南部の開拓地の視察中,ブリガム・ヤングは一部の教会員が贅沢に暮らし,乏しい資源を無駄遣いし,シオンの理想を忘れつつあることに不安を抱くようになりました。ブリガムは懸念していることをメアリー・イザベラ・ホーンに告げ,「節約」の取り組みを指導するようメアリーに割り当てました。この取り組みは,食事や衣服を慎ましくし,家内工業を発展させ,経済的な自立に取り組み,宗教活動を増やすよう,女性たちを促すものでした。2 節約という言葉は,特に出費の削減を指していました。3例えば,著名な教育者,キャサリン・ビーチャーは若い女性たちに,経済的に健全な世帯を維持するための取り組みの一環として,不要な無節制を抑制するよう教えました。4
エライザ・R・スノーの助けを受けながら,メアリー・イザベラ・ホーンは1870年2月10日にLadies’ Cooperative Retrenchment Society(女性共同節約協会)を設立しました。この組織は本部をソルトレーク・シティーに構えていましたが,女性の指導者たちはユタ準州を巡りながら,節約の原則について女性たちに教えました。この運動は,節約の理想を実現するための地域社会の支援を強化し,その地域の各地のワード扶助協会を結びつけました。5
ブリガム・ヤングは自分の娘たちにも,若い末日聖の女性たちに節約の模範を示すよう呼びかけました。エライザ・R・スノーは,簡素でつつましい服装を促す決議を幾つか書きました。ヤングの娘たちはそれらの決議を採択する票を投じ,Young Ladies’Department of the Ladies’Cooperative Retrenchment Association(女性共同節約協会・若い女性の部)を結成しました。6ほかにも青年の節約団体が複数結成され,Senior Ladies’Cooperative Retrenchment Association(成人女性共同節約協会)の監督を受けました。数年後には,Young Ladies’Department(若い女性の部)は,若い女性のための全教会プログラムであるYoung Ladies’Mutual Improvement Association(若い女性相互発達協会)の設立へと至ります。7Senior Ladies’Retrenchment Association (成人女性共同節約協会)はおよそ1904年まで様々な名称で存続しました。8
関連するテーマ:「ブリガム・ヤング」「エライザ・R・スノー」「開拓者の入植」「鉄道」「扶助協会」「若い女性の組織」「若い男性の組織」