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福音の回復


「福音の回復」トピックと質問

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十二使徒を聖任されるキリスト

福音の回復

現代におけるイエス・キリストの完全な福音

バプテスマを受けて間もなく,イエス・キリストは教導の業を始め,天の御父の計画に従って生活する方法を人々に教えられました。イエスは二つの偉大な戒めを教えられました。すなわち,第一に,心と精神と思いと力を尽くして神を愛すること,そして第二に,自分を愛するように人々を愛するという教えです(マタイ22:36-40参照)。主のメッセージは,主のもとに来て,主の福音の真理を信じて生活し,救われるよう男女を招くものでした。

イエスは使徒を召し,主を代表し,主の業を助ける権能を彼らに与えられました。主は御自分の教会を組織し,イエス・キリストを信じる信仰,悔い改め,バプテスマ,聖霊を受けるという福音の第一の原則と儀式の重要性を強調されました(マタイ9:1316:15-1917:19-20ヨハネ3:5参照)。

主の使徒たちの死後,時がたつにつれて,主の教会の最初の組織と権能だけでなく,多くの重要な福音の真理が変わったり失われたりしました(使徒20:29-30参照)。しかし預言が成就し,天の御父と御子イエス・キリストは,教会と完全な福音を回復,つまり再び確立されました。この回復は,1820年に預言者ジョセフ・スミスを通して始まりました。それは現代の預言者に与えられる神の啓示を通して今日も続いています。

福音の回復とは何でしょうか

「福音の回復」とは,イエス・キリストが預言者ジョセフ・スミスとその後の預言者を通して,御自身の完全な福音,神権の権能,そして主の教会の組織を地上に回復されることを指します。回復の特徴は,ジョセフ・スミスの最初の示現に始まり,現代の預言者を通して現在に至る一連の神の啓示であるということです。

トピックの概要:教会の回復

関連福音学習ガイド:ジョセフ・スミス」,「預言者」,「最初の示現」,「神権の回復」,「モルモン書」,「末日聖徒イエス・キリスト教会

セクション1

世界は福音の回復のために備えられた

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最初の示現

キリストの使徒たちの死後,イエス・キリストの福音の重要な側面の多くは誤解され,消え去り,あるいは変えられました。生ける預言者とイエス・キリストによって与えられた本来の権能がなくなり,イエス・キリストのまことの教会は存在しなくなりました。大背教と呼ばれることもあるこの時期に,多くの人がイエス・キリストの福音の真の理解を求めました。

多くの出来事が,主の福音と主の教会の回復のために世界を備える助けとなりました。例えば,主要な人々が聖書を英語に翻訳し,ほかの人々に配り始めるために,自分の命を含む多くの犠牲を払いました。聖文が手に入るようになったことで,人々はイエス・キリストについてさらに学ぶのが容易になりました。改革者たちは,教会で見られる事柄と聖文の教えとの食い違いに反論しました。ヨーロッパ人の多くは,北アメリカに定住することで信教の自由を求めました。数え切れないほどの人々が,イエス・キリストとこの世で平安を見いだす方法について,より明確な理解を求めていたのです。

考えてみましょう

  • イエス・キリストの福音の重要な側面の多くは,使徒たちの死後に失われました。真の福音から背くこの時代は,大背教と呼ばれることもあります。イザヤ24:4-5マタイ24:9-12ヨハネ16:1-32テサロニケ2:1-41ニーファイ13:26-29を読んでください。これらの聖句は,キリストと使徒たちがいなくなった後に何が起こると言っていますか。イエス・キリストの福音の回復は,あなたの人生にどのような影響を及ぼしていますか。

  • ジョセフ・スミス—歴史1:14-20にある最初の示現に関するジョセフ・スミスの話を読んでください。自分の周りで起こっている宗教界の状態について,ジョセフ・スミスは何を学んだでしょうか。福音の回復が真実であることについて証を得ることは,なぜ大切なのでしょうか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • グループの参加者に,おなかがすいているときに感じる気持ちを説明してもらいます。飢えはわたしたちの気分や優先順位,望みにどのような影響を与えるでしょうか。話し合いの後,アモス8:11-12を一緒に読んでください。預言者アモスが大背教の時代の世界を描写するためにこの比喩を選んだのはなぜだと思いますか。福音の真理を失うことは,「この国のききん」とどのように似ているでしょうか。食物に飢えるのと同じように霊的な真理に飢えるとしたら,わたしたちの生活はどのように影響を受けるでしょうか。

  • 回復と再臨への備え—『わたしの手はあなたのうえにある』1という説教の中で,ロバート・D・ヘイルズ長老は,回復に向けて世界を備える助けとなった,世界の歴史における幾つかの特定の出来事について概説しています。この説教を一緒に聞いたり読んだりしてから,グループの参加者に学んだことを分かち合ってもらいます。回復に至るまでの出来事の中で,主の御手はどのように明らかにされましたか。

さらに学ぶ

セクション2

福音の回復によって時満ちる神権時代が開かれた

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メルキゼデク神権の回復

イエス・キリストの福音の回復は,この世に新たな知識と理解の光をもたらしました。それは1820年の春,ニューヨーク州パルマイラの自宅近くの森で若いジョセフ・スミスが祈ったときから始まりました。ジョセフは神の前における自分の霊的な立場について心配し,どの教会が正しいかを知りたいと思いました。ジョセフの祈りにこたえ,父なる神とイエス・キリストがジョセフのもとを訪れられました。

やがて,神は福音の真理をジョセフ・スミスに回復し始められました。この満ちみちる真理は,聖文,神権の権能,教会の組織,教義,救いと昇栄に不可欠な儀式をもたらしました。福音を再び地上に授けられるこの過程は,聖文が「時満ちる神権時代」と呼ぶときにもたらされました(エペソ1:10教義と聖約112:30)。神権時代とは,主が預言者と福音を地上に置かれる時代のことです。この最後の福音の神権時代において,世界はイエス・キリストの再臨に備えられています。

考えてみましょう

  • わたしたちは時満ちる神権時代,ほかの時代とは異なる時代に生きています。この神権時代が背教で終わるわけではないことは分かっていますが,大きな問題に直面しないという意味ではありません。ジェフリー・R・ホランド長老のメッセージ「すべての神権時代の中で最も大いなるこの神権時代2を研究してください。このメッセージの中で,ホランド長老はどのような困難を見いだしているでしょうか。これらの困難に直面するときにどのような態度を取るか選べることについて,ホランド長老のメッセージから何を学べるでしょうか。

  • 時満ちる神権時代に生きる胸躍ることの一つは,今も続く福音の回復の一部になれるということです。使徒3:19-21エペソ1::3,10教義と聖約27:13112:30128:18を読んでください。この神権時代に起こることについて,これらの聖句から何を学べるでしょうか。この大いなる業にどのように貢献できるでしょうか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • 絶えざる啓示を求め,信じることは,あなたの人生に大きな影響を及ぼします。「イエス・キリストの完全な福音の回復:200周年の世界への宣言」の中で,大管長会と十二使徒定員会は次のように述べています。「父なる神と愛する御子イエス・キリストによってこの回復が始まってから,現在200年が経過しました。……わたしたちは喜んで宣言します。約束された回復は,絶えざる啓示によって進められていきます。」3グループの参加者に,自分に大きな影響を与えた現代の啓示や霊感に満ちた教えを分かち合ってもらいます。現代の啓示にまつわるグループの参加者の経験から何を学べますか。

  • 神権時代の概念は,理解するのが難しいかもしれません。ビデオ「神権時代—背教と回復のパターン」(6:55)を一緒に視聴してください。必要に応じて一時停止し,互いに質問し合い,答えを見つけてください。神権時代のパターンを理解することは,現代における回復に対するあなたの証をどのように強めるでしょうか。時満ちる神権時代に生きることについてどのように感じますか。

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セクション3

現代の預言者と使徒を通して回復は続く

天の御父とイエス・キリストがジョセフ・スミスに御姿を現されてから200年以上たった今も,回復は続いています。生ける預言者と使徒は,末日聖徒イエス・キリスト教会を導く啓示を求め,受けています。主は御自分の教会と主の民をイエス・キリストの再臨に備えておられます。神の業は,今なお続く回復と,主の僕の霊感に満ちた指導を通して前進し続けています(信仰箇条1:9参照)。

2018年,ラッセル・M・ネルソン大管長は次のように証しました。「わたしたちは回復の過程を目にしています。教会が完全に回復されたと皆さんが考えていたとしても,今見ているのは,ほんの始まりにすぎません。まだまだ続きます。……来年,そして再来年と続きます。栄養と休息を取っておいてください。わくわくする未来が待っています。」4

考えてみましょう

  • 2014年の説教「回復の業が進む間ずっと眠っていますか5で,当時大管長会だったディーター・F・ウークトドルフ管長は,わたしたちが今も続く福音の回復に積極的に参加するのを妨げる3つの誘惑について提言しています。この説教を研究し,自分の可能性を発揮する妨げとなり得るつまずきの石に注意を払ってください。これらの中で,克服するようあなたが取り組めるものはどれですか。計画を立てましょう。

  • 回復の出来事の多くを目にした人々の中には,それらの出来事について記録するよう霊感を受けた人もいました。『賛美歌』の主題別索引のページにある「回復」から賛美歌を一つ選び,歌詞を読んでください。回復の重要性について,これらの歌詞はどのようなことを教えているでしょうか。これらの歌詞からどんな気持ちを感じますか。あなたは何をするように促しを感じますか。

ほかの人と一緒に学ぶための活動

  • 2020年の説教「預言の成就6の中で,ロナルド・A・ラズバンド長老は,福音の回復の一環として成就した古代および現代の預言を幾つか挙げています。この説教を一緒に研究しましょう。その後,グループの参加者に,どの預言の成就が自分にとって最も意義深いか分かち合ってもらいます。この活動は,あなたが回復に対して抱く気持ちをどのように変えるでしょうか。長い間待ち望まれていたこの時代に生きることの重要性について考えるとき,どのように感じますか。

  • 記事「今なお続く回復7の中で,教会歴史家および記録者であるリグランド・R・カーティス・ジュニア長老は,今なお続く回復に携わることができる3つの方法を挙げています。

    • 神聖な聖約を交わして守る

    • 受けた召しや割り当てを果たす

    • イスラエルの集合を助ける

    グループで,カーティス長老が御業に対するこれらの貢献の一つ一つについてどんなことを教えたか読んでください。この時点で,自分はどのようなことに携わるべきだと感じていますか。それをどのようにして行いますか。あなたのアイデアをグループに分かち合い,目標を達成するために互いに助け合う方法を見つけてください。

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